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コラム詳細

2013/07/01掲載
プロメテウスの火
<プロメテウスの火>

今月はギリシャ神話のお話から。さて、問題です。ギリシャ神話の神々のうちで、人間創造の役割を担っていたのはどの神でしょうか?

正解は「プロメテウス」です(タイトルで、すでにネタばれしていますね、すみません)。プロメテウスはゼウスに匹敵する智恵の持ち主で先を見抜くことができました。さて、このプロメテウスが人間に与えたものは何でしょうか?

正解は「火」です。プロメテウスはゼウスに背きながらも、人間が幸せになると信じて、火を贈ったのでした。人間は火により豊な生活を送ることができるようになったと同時に、武器を作るなど争いの原因も生み出しました。科学の世界では、功罪一体の意味で「プロメテウスの火」と使われることもあります(原発の事故などを見ると本当にそう感じます)。

さて、激怒したゼウスによって、プロメテウスは磔にされ、巨大なワシに肝臓をついばまれるという刑を科されます。ゼウスはなんと、「自分の将来を教えることで減刑する」と司法取引を持ちかけたのですが、プロメテウスは従いませんでした。このことから、プロメテウスは不当な苦しみに対する忍耐の象徴、圧制者に反抗する象徴として、人間によって崇められてきました。

考えてみると、「人間に火を贈る」というプロメテウスの行動はいかにもリスクがありました。それでもプロメテウスは「火中の栗を拾った」。プロメテウスは人間のことを想い、あえて困難を承知で突き進んだ(チャレンジした)ように思われます。自分の損得ではなく他者のためにあえて自分を投げ出す信念、エネルギーはものすごい!

日本社会はよく、「減点主義」「出る杭は打たれる」などと言われ、閉塞感が漂っています。もう少しチャレンジする人を評価する社会にならないと、この閉塞感は打破できないのではないでしょうか。100%プロメテウス的に生きろ、とは言わない。しかし、たとえ僅かでも、「誰かに火を贈る」生き方はできるのではないでしょうか。(蹴人)

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