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コラム詳細

2013/05/01掲載
将棋名人戦
今月の4月9、10日に、第71期将棋名人戦七番勝負(先に4勝した方が覇者になる)の第1局が、ホテル椿山荘東京で開催され、森内名人が羽生挑戦者を破り3連覇に向けて好スタートを切った。

将棋の世界では、名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王、王将が7大タイトルと呼ばれている。中でも一番権威があり、江戸幕府創世記からの歴史もあって重たいのが「名人」であると言われる。

「名人戦」は頂点に名人がいて、その下にA、B1、B2、C1、C2と5つのリーグがあるピラミッド構造である。名人への挑戦者争いはA級棋士のみで行われ、B級以下は参加できない。この順位戦は1年1期のペースで行われるので、プロになったばかりの棋士が名人に挑戦するところまで行くには最短でも5年かかる。つまり、本当に強くてそれが長く続く人でないと名人にはなれないのである。どのクラスに所属するかが棋士の「格」となり、将棋連盟から支給される基本給もクラスによって決まる。そのため各リーグの「予選」は「順位戦」と呼ばれ、名人挑戦をめざし自分のランクを上げるため、各棋士たちは戦っている。

超一流の証明である「A級棋士」は10人の枠があるため、名人挑戦権を巡る上位の争いだけでなく、陥落を巡る下位の戦いも熾烈になる。毎回下位2名がB1陥落の憂き目に遭うことになる。「挑戦」という栄光と「B1陥落」という挫折。ふたつのドラマが同時に進行するA級リーグ最終日は、毎年3月1日に行われるが、「将棋界の一番長い日」と呼ばれている。

個人的には、同年代でもある谷川浩司九段のファンである。19歳でA級に昇級して以来、31期連続でA級(名人も含む)に在籍している谷川九段は、今年はB1陥落の最大の危機を迎えていた。最終局に勝てばA級残留という状況で黒星を喫してしまい、残留の希望は他の棋士の勝敗に委ねられたのだ。結果的には、辛くもA級残留を果たしたが、永世名人(名人位を5期以上獲得すると与えられる)の資格も保持する谷川九段には、来期は名人挑戦さらには名人位獲得に向けて大いに期待するところである。
(七対子)


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