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コラム詳細

2012/06/01掲載
NIMBY(ニンビー)
筆者の自宅の最寄り駅では、現在駅前再開発が進められている。駅前までバスが往来できる大きな道を通し、駅前にロータリーを作る計画らしい。道路やロータリーの計画にかかる建物が次々と取り壊されている。

当然、建物が壊されれば廃棄物がでるが、その量がものすごい。例えば、鉄筋コンクリート2階建てのアパートが1棟壊されると、コンクリート片と木片、鉄筋類と大別されて山積みされて行くが、コンクリート片などは元の建物よりも高くなったのではと感じるくらいの瓦礫の山ができる。

これだけの量を処分するには相当時間がかかるのではと思っていると、大体1日か2日ぐらいできれいに片づいていることが多い。おそらく、そのままにしていては次の作業が進まないから、それぞれの廃棄物はしかるべき「行き場」へと運ばれていったのだろう。(まさか、不法に投棄されているということはないと思うが・・・)

東日本大震災の被災地の復興を妨げている問題のひとつが「行き場のない瓦礫」である。被災地には、津波によって大量に瓦礫が発生した。地元だけで処分するには何十年もかかるから、全国の自治体にも広域処理の協力を求めたが、各地で住民の反対があり受け入れが遅々として進まない。広範囲を占める瓦礫の山がなくならなければ、そこに手を付けることはできないし、瓦礫の中にこもる熱で自然発火する恐れもあり被災地住民の不安材料にもなっている。一方で受け入れる立場にしてみれば、廃棄物に付着したアスベストや焼却した時のダイオキシン、放射性物質を含んだ焼却灰の処理等の不安が拭えなければ簡単に賛成できない。

最近"NIMBY"という言葉をよく耳にする。"Not In My Back Yard"の頭文字を取った言葉で、施設等の必要性は認めるが自分の裏庭ではやめて欲しいという意見(態度)を指す。津波の瓦礫だけでなく、沖縄米軍基地の移転先や核燃料の最終処分場にしても"NIMBY"がつきまとう。鳩山元首相は、基地移転問題の解決を迫られている時を振り返り、「それでは私のところで何とかしましょうという自治体が出て来てくれることを願っていた」と先日の沖縄訪問時に語ったとか。そんなきれいごとでNIMBY問題が解決すると本気で思っていたのかと改めてがっかりさせられた。政治家にはもっと知恵を絞る努力をお願いしたい。(歩)


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