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コラム詳細

2012/05/01掲載
白いカラス
日本では、国会議員(親分)が何か問題が起こると秘書に責任を押し付ける場面を多く見かける。確かに秘書に全てを任せており、本人は本当に何も知らない場合も少なくはないのだろう。だとしても、何か問題が起きれば、親分が全ての責任を取るのは当然のことだと思われるが、永田町の常識はどうも違うらしい。永田町の秘書も大変である。

永田町で流布する話として、“秘書の心得”があるそうだ。もし親分に「カラスは白いよな?」と尋ねられたら、秘書は何と答えるべきか。「先生、カラスは黒いものです」と答えるのが教科書的な回答だろう。たとえ親分の意見だとしても、それが世間の常識に照らして間違っていると判断すれば、目下の者でも誤りを正すべきとの考え方だ。当事者ではない第三者が評論家としてコメントする場合はその通りだが、それでは永田町の秘書は失格のようだ。

「自分も白いと思います」と答えるのはどうだろうか。親分の意見に逆らわず、自分も同じ価値観を持っていることをアピールするパターンだ。しかし、もしかしたら親分も自信がなくて、秘書に確認しているのだとしたら、これでは少し弱い。一応の模範解答は、「そうです。絶対に白です」と自信を持って言い切ること。それを聞いた親分は自分の認識が間違っていなかったと安心するので、満足感を抱かせることができるということだ。もちろん、カラスの白黒といった些細な例だから通用する話で、例えば法律に反したり、政治生命に関わるような意見であれば、秘書として親分の意見を正してあげる義務があるだろう。

ところで、超一流の秘書のとる行動は一味違うらしい。世界中を回り何としてでも白いカラスを探し出してくるとのこと。そうすれば、「カラスは白い」というのは意見ではなく事実になるからだ。(因みに、南国の一部地域には白いカラスは存在すると聞く)世の中には誰しも自分に与えられた役割がある。その役割をきちんと理解して行動に移せる者だけが真のプロフェッショナルと呼ばれるのだろう。
(七対子)

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