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コラム詳細

2011/08/01掲載
柔軟な発想/ローマとカルタゴの争い
共和制ローマとカルタゴは、三度にわたって死闘を繰り返します。第一次ポエニ戦争は、紀元前264年から241年にかけて、23年間にわたり、シチリアとその周辺海域を主戦場として繰り広げられました。(ちなみに、ローマが名将ハンニバルに苦しめられたのは第二次ポエニ戦争)

当時は、カルタゴが地中海最強の海軍パワーをもつ大国で、ローマは新興国という位置づけでした。カルタゴはシチリアを支配下に置こうと画策します。シチリアとイタリア半島は約3キロのメッシーナ海峡を隔てるのみで、ローマにとっては恐怖に感じたことでしょう。海軍大国のカルタゴを敵に回して、それまで陸上戦しか経験のない
ローマがなぜ勝てたのでしょうか?

まず周到な準備をしたことが挙げられます。緒戦で捕獲したカルタゴの軍船を解体して逐一真似をしたり、乗員を確保しオールを漕ぐ特訓を施しました。しかしローマのすごかったところは、このままではカルタゴに勝てないと思い、斬新な戦術が必要だと考えたことです。

それは、例えば「カラス」という装置です。カラスは、船首に最も近い帆柱にロープで固定された一種の桟橋です。当時、海戦では尖った船先をぶつける方法が常識だったのですが、ローマはこの常識を覆しました。敵船に接近した際にカラスを敵船の甲板に落下させ、先端に付けられた鋭い鉄製の鉤を甲板に付きさすことによって固定し、これを通ったローマ兵が敵船になだれ込む、という戦術でした。船の操縦ではカルタゴに勝てないと読んだローマが考えた、思いっきりシロウトな発想ですが、これが当たりました。これにより、ローマは戦いを苦手の海戦から得意とする陸戦に変えたのです。逆に海戦の得意とするカルタゴからは、こうした発想はでてこなかったでしょう。

自分にとって不利な状況を有利な状況に変えてしまう、こうしたローマの柔軟で大胆な発想が勝利をもたらしたと言えるでしょう。ちなみに、カラスは船の操作性を著しく悪くしたので、後年、ローマの海戦経験が増すにつれ装置は使われなくなっていったようです。(蹴人)

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