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2011/05/01掲載
「旬」を味わう
先日、筍(たけのこ)堀を経験する機会があった。近所の旧家に立派な竹林があり、食べ切れないのでと声を掛けていただいた。作業の合間には、旧家のご主人から「竹は生命力が強いので、隣家の庭先に筍が生えて困っている」などというお話しも聞き、同じネタの落語「たけのこ」を思い出しながら、大小さまざまな筍を持ちきれないほど収穫することができた。

当然、その夜は筍料理だ。皮剥きや、大釜がないので家庭用の鍋で何回にも分けて、灰汁(あく)抜きをしながら茹でるのが一苦労だったが、小ぶりなものは皮ごと焼き筍にし、土佐煮や筍ご飯を楽しんだ。

四季に恵まれた日本に住む我々は、季節に応じた「旬」を五感で味わうことができ、特に食生活の面では多くの恩恵を受けている。最近は、生産技術や保存・流通技術が向上し、季節とは関係なく食材が手に入るので、何時が旬なのかも分からなくなっている。ハウス栽培や長期低温保存した野菜や果物、冷凍物の魚は、珍しいだけで味わいも微妙に違い、感激が少ないように思う。

江戸時代、庶民は旬の出盛りの食材を「初物を食うと75日長生きする」といって、我先に買い求めたそうだ。初物で最も有名なのは「初鰹」であろう。勝負に「勝つ魚」ということから縁起の良い魚としても珍重され、女房を質に入れても食べたい魚として高値で取引されたようだ。十代将軍家治の頃(1780年代)には、初物の鰹1本が2両(庶民の月収に相当)にも跳ね上がったとか。これを見かねた幕府は、初物買い禁止令を何回も出しているが、効果は無かったようだ。

風薫る5月、春から初夏に移る季節になる。路地物の野菜や近海で獲れた魚介類が豊富に出回る時期になる。本来の旬を味わって欲しい。でも、初物は財布と相談してほどほどに。最後に、皆さんがご存知の初鰹を詠んだ句をご紹介する。興味のある方は解釈を調べてみては。

目には青葉 山ほととぎす 初がつを (山口素堂)

(翔)

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