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コラム詳細

2011/03/01掲載
ゲームのルールを変える
近所の公園で散歩をしていたときのこと。小学生くらいの子供たちが「鬼ごっこ」をして遊んでいたので、何気なく見ていました。ところが、すぐに違和感を覚えました。よく見てみると、つかまえた子供(鬼)は鬼から解放されるのではなく、鬼のままでい続けていたのです。つまり、鬼がどんどん増殖していたのです。そして、全員がつかまった時点でゲームオーバー!そこで、「ゲームのルールを変える」と、全く違った思考パターン、行動パターンが生まれるものだと、妙に納得してしまいました。

同じようなことは、ビジネスについても当てはまらないでしょうか。従来の仕事のやり方(ビジネスモデル)が絶対普遍的なものとして捉え、その中で対策を練るのと、従来のやり方(前提)を覆して「ゲームのルールを変える」のとでは、視界が全く違って見えることでしょう。

チョコレート菓子「キットカット」で有名なネスレ日本。以前、「ネスレ日本、菓子卸しに返品認めず」というニュースがあり、業界関係者を驚かせました。食品業界では卸や小売が一度仕入れた商品を返品することが長く慣習となっています。販売機会の損失を嫌う小売は多めに仕入れておき、少し売れ行きが落ちると賞味期限がずっと先でも棚から撤去してしまう。メーカーは卸を通じて戻ってきた商品を転売するか、廃棄せざるを得ない。同社はそれまで全品廃棄しており、その額は年間数億円に達していたと言います。

ネスレは、「無駄なコストを削除しないと利益は上がらない。ゲームのルールを変える必要がある」と判断し、何十年も前から続く不可侵の「返品制度」の変更に踏み切ったのです。当初は卸や小売から猛反発もあったのですが、考えてみれば「返品制度」がなくなれば、卸と小売は正確な需要予測に基づいて発注するようになるし、返品の運送や廃棄処分コスト、値引きして転売することによる損失を減らせる可能性があります。つまり、サプライチェーン(業界)全体の収益性を上げる可能性を秘めています。実際に、ネスレは翌年に、キットカットの売上増(前年比9%増)と返品率の削減(1%→0.03%)を達成したそうです。

「ゲームのルールを変える!」 そこには、もしかすると、違った世界が拓けているかも知れません。(蹴人)

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