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コラム詳細

2010/10/01掲載
ポイ捨てはやめて
筆者が住むマンションの共用エントランスには、郵便受けから郵便物を取り出す際に、買い物袋等が置けるようにと荷物台が据え付けられている。梅雨入りしたある日から、その荷物台に武者人形が置かれるようになった。結構立派な置物なので、装飾品として置くことになったのだろうと思っていたが、端午の節句ならまだしも、少々時期はずれのような人形に違和感を覚えた。

その内に、その人形にメモ紙が貼られるようになった。そのメモ紙には「持ち主の方は責任持って処分してください!管理人」と書かれていた。どうやら、装飾品ではなく人形の処分に困った人が、置いていってしまったものらしい。つまりゴミだったということだ。捨てた人にしてみれば、「あそこに置けば、誰かが持って帰ってくれて、人形も第2の人生をスタートできるのではないか」程度の軽い気持ちだったのかもしれない。

8月30日付けの読売新聞に、中学生からの「ポイ捨てはやめて」という投書が掲載されていた。近所の地域清掃に参加した時、「ゴミを捨てるのは簡単だが、拾うのはとても大変」なことに気づいたという。「腰をかがめなければならないし、割れたビン破片は小さくて拾いづらい。清掃に参加する人は、大変さを知っているはずだから、きっとポイ捨てはしないだろう」とつづられていた。まったくその通りだと思う。

「ポイ捨て」という言葉の軽さが、捨てる側に罪の意識を薄れさせてはいないだろうか。「ポイ捨て」は「不法投棄」であって、「環境破壊」を一歩進める重大な行為なのだということを、もっと公共広告で伝えていく必要があるのではないか。そして、もっと地域の清掃活動にできるだけ多くの人が参加するようなしくみを整えられないだろうか。この中学生のように、拾う側の立場を体験することによって、みんなが拾う大変さを知り、少しでも「不法投棄」のない社会ができないものだろうかと考えさせられた投書だった。

後日のゴミ収集日に、今度は頭に「粗大ゴミとして役所に連絡済み」のメモが貼られた件の武者人形を目にした。役目を終えた人形の表情に孤愁を感じたのは筆者の気のせいだろうか。(歩)

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