バンクーバー・オリンピックを控えて バンクーバー・オリンピックが間もなく開催される。最高舞台で活躍する選手の姿を見て、「自分も将来はあの選手のようになりたい」と大勢の子供たちが夢を膨らませることを願いたい。しかし、本来ならスポーツの世界だけでなく政界や経済界、学校や家庭をはじめとした生活の場等、いたるところに子供たちの「手本」となる大人がいて、様々な形の「自分のなりたい将来の姿」を見せてくれる環境の方が子供たちの可能性の選択肢を広げることになるはずだ。
先日の読売新聞の投書欄に中学校の教諭から「生徒から『尊敬できる人がいない』と言われ自分も含めて情けなくなった」という意見が掲載されていたが、今の子供たちの周りには、尊敬できるような大人たちが見当たらないというのが現実だろう。それどころか、いい年をして何億円ものお小遣いを母親からもらっているリーダーがいたり、成人式の会場で目立ちたい一心で他人の迷惑を考えずに騒ぎ立てる子供のままの大人がいたり、果ては小さな子供が見ている前で平気で赤信号を無視したり、ごみをポイ捨てしたりと、世間には手本にできない例ばかりの方が目につく。こんな状況では、子供達が、大人たちに不信感や失望感を抱くのも不思議なことではない。
少し前の話だが、1995年(日本)と1998年(米国)に世界ジュニアサミットというのが開催されたのを記憶している。未来は子供たちのものだから、もっと子供たちの意見を聞こうと、世界各国から子供たちを一堂に集め、世界の未来像を議論してもらったところ、頭の固い大人たちを唸らせるような、アイデアがポンポンと飛び出したと聞いている。現在は行なわれていないようなので残念なことだが、どうだろう、この際もっと子供たちの意見に真摯に耳を傾けて、その意見の実現に取り組む姿を子供たちに示して、大人と子供との信頼関係を築き直すことも、今の日本を元気にするためには必要なことではないだろうか。
がんばれ、ニッポン!(歩)
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