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コラム詳細

2008/06/01掲載
心に内在する自由の芽
誰しも絶望的な状況に陥り、希望を失いかけた経験があるのではないでしょうか。人生においてもプロジェクトにおいても順調な場面だけでなく、いくつかの修羅場がやってきます。そんな時あなたは困難にどう立ち向かいますか?スケールは全く違いますが、ヴィクトール・フランクルの名著「夜と霧」を紹介しながら、人間のもつ無限の可能性を考えてみましょう。

「夜と霧」は、心理学者であるフランクルが第二次世界大戦中に、ナチスによりアウシュビッツ強制収容所に入れられていた時の体験について書かれています(彼はユダヤ人でした)。収容所に到着するなり彼の家族はガス室で殺され、彼も人間の尊厳を踏みにじるような筆舌に尽くし難い体験をし、しかし4年間を奇跡的に生き延びます。

多くの被収容者が絶望する中で、彼はナチスの兵が決して奪うことのできないものを発見します。それは、「自分は心の中で創造したり考えたりする自由をもっている」という発見でした。彼は収容所から解放され大学で講義している場面を想像しました。その教室の中にいる自分を想像し、拷問を受けている最中に学んだ教訓を生徒たちに説明している状況を思い描きました。また彼は愛する妻や家族の面影を精神力で呼び出し、心を満たしました。人は、愛する人のことを心の中で想うだけでも少しは幸せになれることを知りました。彼の家族はすでに死んでいたにもかかわらず・・・。彼は心の中に無限の大いなる自由を手に入れたのです。

結局、自分の身に何が起こるかではなく、その意味を考え、どう反応するかが重要なのではないでしょうか。こんな一節があります。「わたしたちが生きることから何を期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちから何を期待しているかが問題なのだ」。「生きることに何も期待できない」と絶望するのではなく、「生きるために自分が何をしたらいいのか」が問題なのですね。このあたりは個人の主体性を強調した、ケネディの有名な大統領就任演説「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問おう」を思い起こします。

少し哲学的な話になってしまいましたが、現状に絶望や閉塞感をもっている人たちに言いたい、「あなたの心は自由だ。現状をどのように感じ、どのように行動するかの選択肢は全てあなた自身に委ねられている」。(蹴人)

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