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コラム詳細

2020/11/01掲載
ペイル・ブルー・ドット
NASAの無人宇宙探査機ボイジャー1号は1977年に打ち上げられた。同機のミッションは太陽系の各惑星の観測データを地球に送ることだが、合わせて、次第に遠ざかる地球の姿を様々なところから撮影した画像も地球に送っている。その中に「ペイル・ブルー・ドット(the Pale Blue Dot)」と名付けられた地球の画像がある。現時点で一番地球から遠いところから写したと言われるこの有名な画像だが、一見しただけでは地球がどこにあるのかは分からない。画像に添えられた解説を見て初めて「これかな?」と判別できる程度の淡くて青い点でしかない。

ボイジャー1号を振り返らせて地球の撮影をさせようと提案したのは、米国の天文学者カール・セーガン(Carl E. Sagan)博士だと言われている。博士は著書の中で、このペイル・ブルー・ドットの画像を一説の文章とともに紹介している。誰が日本語に訳したのか定かではないが、一部を転載させていただく。

この距離から見ると、地球というものは、さして興味深い場所には見えない。
 しかし、私たちにとっては違う。
 この点をよく見てほしい。
 あれがここだ。
 あれが故郷だ。
 あれが私たちだ。
 ここにすべての人が住んでいる。
 (中略)
 私にとって、この映像は私たちの責任を表しているように見える。
 もっとお互いに気を配り、この青白い点を大切にするという責任を。
 私たちの知っている、ただ一つの故郷を。
 (後略)

ここで博士の言わんとしていることは、宇宙の中において地球は、欠片にもみたない孤独な星に過ぎないこと。そしてその地球に住み、故郷としている人間には地球を守る責任があるということだろう。

ちっぽけで孤独な地球上で起こっている様々な事象や争い事などに、興味を持って手を差しのべようなどという奇特な地球外生物はおそらくいないだろう。であれば、故郷である地球とそこの住人のすべてを守る責任は我々人間にあるはずだ。一国主義だとか覇権主義だとか喧しいが、そんなことは宇宙レベルからすれば取るに足らないこと。今やらなければならないことは、お互いに助け合いながら我々の故郷を守るために叡智を結集することだと思う。それができなければ、いずれ地球は宇宙の中のただの薄暗い黒い点と化してしまうのではないだろうか。(歩)

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