プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

PMコンセプツ・トップページ >> コラム詳細

採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

コラム詳細

2020/06/01掲載
圧力よりも面白さ
コロナ禍の影響で、いくつかの業種でテレワークが浸透し始めました。ところが、管理職の立場からすると、部下が本当に仕事をしているのかが見えにくいので不安になり、管理過剰になるという状況に陥る場合もあるようです。

聞いた範囲では、会社から支給されたパソコンにはログを収集する監視ツールがインストールされており、いつでも社員を監視できる状態にあるとか…。さらに、パソコンの画面をリアルタイムで録画、モニタリングしたり、業務に関係のないサイト閲覧や極端に長い離席に対して警告するものまであるらしい。

そこで思い出したのが、「パノプティコン(Panopticon)」というコトバ。パノプティコンとは、18世紀のイギリスの哲学者、ジェレミー・ベンサム(Jeremy Bentham)が設計した刑務所のデザインのことで、円周上に配置された独房と中心に配置された監視所から成り立っています。ここで注目したいのがパノプティコンのもつ「監視の圧力」です。パノプティコンでは、円周上に配置された独房は中心部の監視塔から常に見張られている一方で、独房の囚人からは看守が監視塔にいるかどうかは分からない構造になっています。つまり、囚人にとっては看守がいるのかいないのか、またどこを見ているのかは分からないという無言の心理的圧力に晒されることになります。

さて、前述の監視過剰のテレワーク形態はパノプティコン状態となんら違いはないように思われます。そこでは、上司が監視しているかもしれないという無言の圧力のもとで息苦しい仕事をするはめになり心は疲弊します。生産性の向上が叫ばれる中で、監視圧力の中でやりがいのない仕事をやらされるよりも、本当に面白いと思える仕事に取り組んだ方が生産性は激増するはず。プロジェクト現場でもテレワーク形態が増えてくるものと思われますが、これからのリーダーに求められるのは、監視ではなく、ますます、仕事の面白さとやりがいを伝える能力になってきます。(蹴人)
採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ