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コラム詳細

2018/11/01掲載
人材不足
10月4日の読売新聞朝刊の一面に2つの記事が載っていた。1つは国交省が国や自治体が管理する橋やトンネルなどの老朽化対策として、赤外線を使った点検を本格的に導入するという記事。老朽化したインフラの改修が課題となる中で、調査、点検における人材不足を補うことを狙った施策だそうだ。もう1つは、今年3月に起きた目黒区女児虐待死事件について、厚生労働省の専門委員会の報告書に関するものだ。その報告書では事件が起きる前に関与した香川県と東京都の児童相談所(児相)の対応が不十分であったこと、さらに児相職員の人手不足と経験不足が虐待に歯止めがかけられない一因となっているとも書かれていた。

どちらも人材不足に起因した記事だが、たまたま重なったという訳ではないだろう。恐らく、この日に限らず人材不足絡みのニュースは、毎日何らかの記事として掲載されているはずだ。それだけ人材不足の問題は今の日本の至る所に暗い影を落としていると言える。好景気と言われる中、各企業の業績も伸びつつあると思いきや、人手不足によって従業員が確保できずに倒産する中小企業も増えていると聞くし、2030年には労働人口が現在の5%減となると言われているから、人材の開拓、育成は喫緊の課題に違いない。

喫緊の課題なのだが、一朝一夕に片づく課題でもない。様々な取り組みが長期にわたって必要になるはずだ。定年退職の年齢を60歳から65歳に引き上げて雇用を確保する政策は、かなり前から実施されてきた。しかし特効薬とはならなかったようで、先日、企業の継続雇用年齢をさらに70歳にまで引き上げる方針を安倍首相が打ち出した。ただ、高年齢者の雇用拡大の背景には、年金財政の安定化の狙いもあるから、高年齢者にしてみれば「年金がもらえないから働くのか」と考えてしまうと一概に歓迎とはいかないだろう。海外からの労働力を受け入れることも一つの政策だろうが、世界的に労働力が不足する傾向の中で、日本語という言葉の壁が獲得合戦を不利な状況にしているようだ。いずれにせよ、労働人口の総和を大きくすることはもう限界に達しているのではないだろうか。

筆者の個人的な意見にはなるが、限りある労働力でも経済成長するには、AIやロボティクス分野などの技術革新が必須ではないかと思っている。しかし技術革新にも人手がかかることだろうから悩ましい所だ。(歩)

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