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コラム詳細

2018/02/01掲載
数字のトリック
テレビ番組「サザエさん」の視聴率がXX%、〇〇社の売上が前年比2倍など、私たちの身の回りには数字が溢れています。こうした数字を見て、私たちは何となく物事を「分かったような気」になることが多いのではないでしょうか。

昨今、「働き方改革」が叫ばれ、過労死の問題などブラック企業に一層厳しい社会の目が向けられるようになってきました。数年前の記事ですが、ブラック企業を疑われたある飲食サービスA社が、自社がブラック企業ではない根拠をデータとしてホームページに載せていました。

例えば、�A社の平均離職率(3年以内)4x%は、厚生労働省公表の宿泊業・飲食サービス業の平均値4y%に比べて下回っている、�A社の従業員の平均年収4xx万円は、厚生労働省公表の宿泊業・飲食サービス業の平均値3yy万円を上回っている、�A社の時間外労働時間は、・・・。こうしたデータが延々と続き、ブラック企業ではないと懸命にアピールしていました。

賢明な読者はお気づきの通り、これらのデータを持ってA社がブラック企業でないとは言い切れません。統計では「平均値」の他に「中央値」「最頻値」があります。宿泊業・飲食サービス業に離職率をものすごく押し上げている会社が少し存在していることによって平均値が中央値や最頻値よりも高いところにある可能性があります。年収も同様に、A社の一部の幹部社員が高額の給料をもらっている可能性もあります。

このように論点を数字のみに絞ったとしても、A社の実態は平均値だけでなく、中央値や最頻値を見たり、データの分布グラフを見たりしなければ分かりません。数字はとても説得力があります。「今月の売上は好調だ」と言われるよりも「今月の売上は前月の2倍だ」と言われた方がインパクトはあります。だからこそ、思わせぶりな数字に誤魔化されないように、本質を見誤らないように、統計センスを磨くことが必要です。(蹴人)

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