プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

PMコンセプツ・トップページ >> コラム詳細

採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

コラム詳細

2008/01/01掲載
道端の小石
仕事の都合でいつもより少し早めに家を出た冬の朝の通勤途上でのこと。ふと足元を見ると、東の空から上り始めた朝日を斜めからあびた小石が影を長く伸ばしていることに気がついた。

日が高くなれば影も短くなるので、その存在は道路面と同化してしまって目立たなくなり気にも留めなくなってしまうだろう小石が、しっかりと影を映していると、小さいながらも一生懸命に存在を主張しているように見え、思わずその小石を避けて歩いてしまった。

私たちは、社会生活の中で人と接する時に、つい相手のことを固定的な観念で捉えてしまいがちである。たとえば、職場の部下に対して、「彼(彼女)はこういう人間だから」と決め付けてしまい、その一方向からだけ眺めた固定観念の枠の中で、仕事を与え、結果を評価しまいがちであるが、それは果たして部下の成長の芽を摘んでしまうことになっていないだろうか。

部下の自己成長を促すためには、その人が、少し背伸びをして、手が届くか届かないかぐらいの仕事を任せることが大事だということをPM研修の中で述べている。そのためには、いつも同じ方向から眺めるのではなく、冒頭の小石のように、別の方向から光をあててみよう。これまで見えなかった一面が見えてくるかもしれないから、時には、視点を変えて観察して、成長の可能性を探ってやり、結果責任は自分が負う覚悟で部下に思い切って仕事をさせてやることが上司として大切な心がけだと思う。

先日、見事に北京オリンピックへの切符を手に入れた野球の「星野ジャパンチーム」。台湾戦を終えた後のインタビューにおいて星野監督は、今大会は、一番成長してもらいたい若手を中心に投手ローテーションを組んで臨んだとコメントしていた。監督としては実績のあるベテランを起用した方が、もし、結果が出なかった時に「ベテランでもダメだった」と言い訳ができるところを、「全ての責任は監督がとる」という覚悟で、あえて若手起用に踏み切り、それに選手が応える形で結果を出した。個人のパフォーマンスと全体の結束力とを高めるお手本を示してくれたと思う。

部下を育成するためには、これだけの覚悟と度胸が必要なようだが、果たして、我々は星野監督のようにできるであろうか。(歩)
採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ