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2016/04/01掲載
シンギュラリティ(Singularity)
「2001年宇宙の旅」(1968年公開)というSF映画がありました。子どものころ初めて見たときには、何しろ始めから終わりまでほとんど会話がなく、内容が哲学的、抽象的で全く理解できなかった記憶があります。ただ印象的だったのはHAL9000というコンピューターが登場するのですが、探査ミッション遂行のため、宇宙船の乗組員には真の目的を隠すように密かに指示(プログラム)されており、最後には自分を停止させようとする乗組員を排除しようと「行動」するシーンです。コンピューターが人間のように意思を持ち行動することに、当時衝撃を受けました。

そして2016年。米グーグル傘下の人口知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士、イ・セドル九段との五番勝負が行われ、対戦成績はアルファ碁が4勝1敗と圧勝しました。イ・セドル九段は世界最強の棋士の一人です。囲碁は最も複雑な知能ゲームの1つであり、「囲碁において、AIが人間に勝つにはあと10年はかかる」というのが最近までの専門家の評価でした。その認識がアッサリと覆されてしまったのです。

最近、シンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)という言葉をよく耳にします。シンギュラリティとは、技術の急速な進歩により人間生活が後戻りできないほどに変容してしまうような、来るべき未来のことです。AIが人間の能力を超えることで起こる出来事とも言えます。例えば、ITの世界で注目を集めているキーワードの1つにFinTech(フィンテック:金融とテクノロジーの融合)がありますが、実際にFinTech先進国の米国では、従来人間が行っていた融資の審査をAIが担う新興ローン会社が続々と登場しています。金融、サービス、医療、法律、教育などさまざまな分野で、人間がAIの指示に従って働くようなことが当たり前になるのでしょうか。

子どものころは、HAL9000に衝撃を感じながらも、冷静に考えるとSFの世界にすぎないと思っていましたが、そうしたSFの世界が現実になりつつあると考えると、期待と不安が入り混じった何か複雑な気分になります。(蹴人)

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