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コラム詳細

2016/01/01掲載
奇跡の星
探査機「あかつき」が金星周回軌道への投入に成功したと発表されました。2010年の投入失敗から5年後のチャレンジでした。関係者の努力には頭が下がります。今後、貴重な観測データを届けてくれることでしょう。

ところで、地球と金星は大きさや質量がほぼ同じで双子星と呼ばれますが環境は大きく異なります。金星は風速100メートルを超える猛烈な風が吹き、大気を占める二酸化炭素の温室効果で地表面はセ氏約460度に達します。

金星(そして火星も)の過酷な環境を知るにつけ、地球はまさしく「奇跡の星」だと思わずにはいられません。1995年に初めて発見された系外惑星ペガサス座51番星bは、恒星から0.05AU(1AU=天文単位は地球と太陽の距離である約1億5000万キロメートル)という近い距離をわずか4日で公転する巨大ガス惑星でした。地表温度は1000度に達すると思われる、いわば灼熱の木星です。その後の観測技術の進歩によって地球型の惑星も見つかるようになりましたが、当初は大型の星(スーパーアース)ばかりでした。最近では地球と同じサイズの地球型惑星も次々に見つかっています。しかし地球の環境とは似つかない可能性の方がはるかに大きいでしょう。現在の地球の環境は、水量、質量、軌道、月の存在、他の惑星との位置関係、太陽の質量など多くの条件に依存しています。

一方で、地球には思いがけない厳しい過去があったことも最近の研究で明らかになってきています。地球ができた直後、火星サイズの天体が衝突したという「ジャイアントインパクト」説が説得力をもってきたのも、ここ20年くらいのことです。地球上の全てが凍り付く「全球凍結(スノーボールアース:氷河期ではない)」が23億年前から6億年前の間に、合わせて3回はあったとする説も有力です。我々の祖先である生命は、平均気温マイナス40度とされるその時期を生き延びたことになります。いや、やはり「奇跡」と呼ぶほかありません。

宇宙の時間的空間的スケールと生命の進化の過程を想像すると、大きなロマンを感じるとともに畏怖の念を抱いてしまいます。頑張れ、「あかつき」!(蹴人)


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