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コラム詳細

2015/06/01掲載
3対1なのに…
先日父親の故郷である富山県を訪れた。親戚も多くいて、先祖代々の墓もあるのでこの時期の恒例行事になっている。例年であれば車で往復するところだが、今回は開通したばかりの北陸新幹線を利用することにした。

新幹線効果で観光客がこれまでの何倍にもなったというニュースを聞いていたので、さぞかし観光客で溢れかえっているのではと、富山の親戚に尋ねると、意外にも「金沢の一人勝ち状態」とのことらしい。観光客の多くは一番早い「かがやき」に乗って石川県でただ1つの新幹線の駅である金沢駅まで向かってしまい、その手前にある富山県内の3つの駅(黒部宇奈月温泉駅、富山駅、新高岡駅)を訪ねる人はそれほど増えておらず新幹線の恩恵はあまりないとのことだ。

北陸に行くのならまずは金沢へ…と思う人が大半なのだろう。確かに北陸新幹線開通にまつわるテレビ番組などでも賑わいを映しているのは金沢の様子ばかりだ。金沢に飽きればその内に富山にも徐々に観光客も増えてくるのかもしれないが、富山県の方々にしてみれば現状にもどかしさを感じていることだろう。

そんな話を聞いてしまったので、何か小欄で富山に関心を持ってもらえるようなことを紹介できないかと旅先で探していたら、ちょうど絶景スポットに行き当たった。それは日本最大と言われる砺波平野の「散居村」の風景だ。広大な耕地の中に民家が点々と散らばった農家の集落で、大きな切妻造りの家屋が伝統を感じさせてくれる。家同士が離れているので、厳しい風雪に耐えられるように各戸はカイニョと呼ばれる屋敷林で囲われている。

山の中腹にある展望台から見下ろすと、田んぼの中にカイニョに守られるように佇む家屋が点在する日本の代表的な農村風景が観られる。特にこの時期は田植えの準備で田んぼには水が入るので、それが夕日に照らし出されてキラキラと輝く光景を目にしたら、誰もが夕日に「沈むのは待って」と頼みたくなるのではないだろうか。いずれ世界遺産に登録される時が来るのではと筆者は期待している。世界遺産に登録されると国内外から観光客が押し寄せてくるから、のんびり観るのなら今の内だろう。

実は筆者は金沢市の生まれなので、それほど富山に義理立てする必要はないのだが、今後も機会があれば小欄で紹介をしたい。金沢の方はテレビに任せることにする。(歩)

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