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2014/11/01掲載
新規顧客開拓
先月、ファンならずとも注目されていたアップル社のスマートフォンiPhone6が発売された。恒例のように各地のアップルストアの前には何日も前から長蛇の行列が見られた。小生は、いまだにいわゆるガラケーを使用しているので、この騒動には無関係だが、マクロの視点で考えれば、景気回復にはプラスの側面もあることだろう。

さて、こういう場面でクローズアップされるのは、純粋に新機種を使いたいという理由ではなく、キャッシュバックを目当てに携帯キャリアを転々とする輩である。携帯各社は、競ってキャンペーンを展開し、何とか新規の顧客を得ようと必死になっている。そのため採算度外視の高額なキャッシュバックを提供している。しかし、その原資は既存のユーザの契約料金から支払われている訳で、月々の利用料金が高止まりしている大きな要因の一つになっている。長年、同じキャリアのケータイを使い続けている小生には、何ともスッキリしない状況だ。

顧客との一回限りの付き合いを基本とするビジネス、例えば結婚式や住宅販売などを手掛ける企業であれば、新規顧客獲得に大きく注力するのは理解できる。しかし、顧客と長い付き合いを前提とするビジネスであれば、もう少しロイヤルカスタマー(常連客)がメリットを感じられるシステムを構築すべきであろう。携帯キャリア以外にも、新規顧客優遇のために既存顧客がデメリットを被る例は、枚挙に暇がない。

例えば、銀行では、新規の口座開設者や新規の預入資金に対してのみ、定期預金などの優遇金利を提供している。結果として、すでに預金している預金者は低金利のデメリットを甘受せざるを得ない。賃貸住宅にしても、年々家賃が下落していく中、同じ物件に長く住み続けている人ほど、世間相場より高い家賃を払わされているケースが多い。

営業を経験すれば理解できるが、新規顧客を1件獲得するエネルギーと既存顧客を1件維持するエネルギーを比較すれば、断然前者の方が大きな労力を必要とする。にもかかわらず、なぜ多くの企業が、新規顧客にばかり目を向けて既存顧客を大事に出来ないのだろうか。もう少し物事をマクロの視点で捉え、全体最適の観点で判断するマインドを持ちたいものである。(七対子)


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