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コラム詳細

2025/07/01掲載
火中の栗を拾う
「火中の栗を拾う」という諺があります。日本では、「誰もやりたがらない難事にあえて挑む」といったように、勇気を称える際に使われることが多いですが、もともとは17世紀フランスの寓話(イソップ物語)に由来します。「猿と猫」と呼ばれるこの作品は、猿が猫に火の中の栗を拾うように促し(騙し)、猫が火傷を負って拾った栗を猿がちゃっかり横取りするというストーリーです。

この物語から、他人のためにリスクを冒して行動することを「火中の栗を拾う」と表現するようになりました。しかし本来は、「他人のため」は自己犠牲の精神の意味はなく、「他人の利益のために利用されないようにしよう」という戒めの意味であったようです。日本での使われ方とニュアンスが違っていたのですね。このあたり、日本と西欧の文化や価値観の違いが感じられて面白いところです。

さて最近、世間を騒がせているのが「令和の米騒動」です。米価の高騰は2023年の猛暑による高温障害がきっかけとなり2024年に上昇が顕著となり現在に至ります。ここにきて長年の農政の失敗のツケが一気に回ってきています。ここに至り、これまでの問題点を徹底的に洗い出し、米の生産拡大を軸にした農政に転換する必要性があることは明らかです。そんな中で、前農水大臣の失言(これも酷かった!)により小泉大臣が後任となり、備蓄米の放出など、これまでと違ったスピード感のある対応が注目されています。

備蓄米放出などの政策論の是非に言及はしませんが、ガッカリしたのは、自民党内の農水族や野党などから重箱の隅をつつくような些末な突っ込みや揚げ足取りとしか思えない稚拙な反応が多いことです。野党などは選挙が近いためか、与党の手柄になるようなことは認めたくないのでしょうが、安全地帯にいる外野からあれこれ言うことは誰でもできます。小泉大臣を個人的に推しているわけではありませんが、少なくとも彼は「火中の栗」を拾いました。批判する側に対して、近視眼的に足を引っ張るのではなく、真に国益となる骨太で建設的な対話を期待します。(蹴人)

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