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コラム詳細

2022/05/01掲載
一時停止
10年ほど前から、研修のために年に数回静岡県へ出張しているが、朝夕の研修会場への行き帰りの途上、信号機のない道路を渡ろうと横断歩道で立っていると、気づいた車の運転手はすぐに一時停止して、こちらを横断させてくれるケースがとても多いと感じていた。東京で同様の状況では、車が通り過ぎていなくなったのを見計らってから渡るのが当たり前だと思っていたので、最初の頃はこちらの方が戸惑ってしまい、恐縮して渡っていた。しかし、交通法規を調べてみると、横断歩道では歩行者優先としっかり書いてある。静岡県でのケースの方が正しいということなので、それを知ってからは戸惑うことなく堂々と横断するようにしている。

最近になり、「横断歩道における歩行者優先」は広まりつつあるようだが、徹底されているとまでは言えない。自分が車を運転している時、道路にひし形(ダイヤモンド)マークを確認したら、少し車のスピードを緩めてその先の横断歩道に歩行者がいないか注意し、もし歩行者を見つけた場合には一時停止をするように心がけてはいるものの、ちょっと車のスピードが速かったり、手前のひし形マークを見落としていたりすると、横断歩道を渡ろうと待っている歩行者に気づくのが遅れる場合もある。また、こちら側が停止できたとしても、対向車線の車が何台も通り過ぎていくケースも結構見受けられる。

2021年度に一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとする場面で一時停止した車の割合を全国調査したところ、東京都は12.1%だったとのことだ。小欄が10年前から「停まってくれる」と感じていた静岡県は63.8%で全国2位。その数字と比較しても5分の1の割合だから、東京はまだまだ取り組み不足といえるのではないだろうか。車を運転する側の意識向上が求められるところだろう。

それと、車を運転する立場として歩行者のみなさんに一言申し上げたい。横断歩道で車が一時停止してもらった時、申し訳なさそうに頭を下げて横断する人を良く見かけるが、一時停止は運転手の善意ではなく義務なのだから、遠慮することなく堂々と渡ってもらいたい。「譲られた方は遜って感謝をするべき」みたいな変な風潮が広まったりすると、生来、人に頭を下げることが嫌いな性分の小欄にとって、横断歩道が渡りづらいものになってしまうことになる。(歩)

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