柳橋 「柳橋」は東京都三鷹市の井之頭恩賜公園内の池を源流として、都内を東へと流れる神田川が、隅田川へと注ぎ込む河口際に架かる橋だ。現在の鋼鉄橋は関東大震災後に架け替えられたものだが、隅田川のもう少し下流に架かる永代橋を模して造られたこともあってか「ミニ永代橋」とも呼ばれているそうだ。
柳橋が最初に架けられたのは元禄11(1698)年、近くに江戸幕府の矢の倉があったことから「矢の倉橋」との名がつけられていた。それがどのような経緯で「柳橋」となったのかは諸説あるようだが、1800年代中ごろからは、吉原遊郭へ舟で向かう客が立ち寄る渡船場だったこともあり、この界隈は芸者遊び、舟遊びの客が多く集まる花街として大いに賑ったそうだ。
今では神田川の護岸整備が進み、柳橋はビル群に囲まれてしまっているので、花街を偲ばせてくれるものが少なくなっているようだ。ただ、橋の南詰に建てられている石碑には、正岡子規(1867-1902年)が詠んだ2つの俳句が刻まれていて、賑わっていた当時の情景を想像させてくれる。 「春の夜や女見返る柳橋」 「贅沢な人の涼みや柳橋」
当社が主催している公開コースでこれまで利用してきた目黒区の貸会議室が、残念なことに閉館となってしまった。その代わりとして、これからはこの柳橋の近くにある貸会議室をお借りすることとなった。JR総武線の浅草橋駅から4、5分のところにある施設だが、周辺で花街の面影として残るのは神田川の両岸に係留された屋形船が静かに佇むぐらいで、喧噪感もなく研修環境としては申し分ない場所にある。
公開コースにご参加いただいた際には、昼休憩時にでも会場の裏手にある柳橋に足を向けてもらい、往時の賑わいに想いを馳せていただくのも一興だと思う。橋のすぐそばには「隅田川テラス」が整備されていてベンチもあるので、隅田川とスカイツリーを眺めながら、情緒あふれるひと時を過ごされるのも良いだろう。また、コースの後、柳橋から隅田川テラスを北に20分ほど歩けば、浅草の街にも出ることができるので、季節の良い時期の夕暮れ時にでも、隅田川散策を楽しみながらぶらりとすれば、研修疲れも癒すこともできるのではないだろうか。想像力を働かせながら歩いている内に、運良く正岡子規の俳句のような情景を、実際に体験できたりするかもしれない。(歩)
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