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2012/12/01掲載
感情の相応性
衆議院が解散し、総選挙が12月16日に行なわれることになった。この12月は日本各地で代議士の先生方が忙しく駆け回る“師走”になりそうだが、既にその動きは活発化していて、連日メディアでは“離党”、“結党”、“合流”、“鞍替え”等々のニュースが報じられている。傍からだとその動きが、“理念なき迷走”のようにも見えるのだが、先生方からは「日本再生のために…」、「国民の命を守るために…」、「政策を貫くために…」という大義名分が聞こえてくる。しかし今回は、そのような言葉がまったく心に響かない気がする。

それは、前回の総選挙で政権交代が実現した際に、「これで日本は変わるかもしれない」と期待が膨らんでいたのに、その期待が次々と裏切られる結果を見せつけられて、「どこの政党がやっても変わりはしない」と半ば諦め気味に政治を見てしまっているからかもしれない。それに、先生方がどんなに立派な大義名分を並べたとしても、本心の中にある「当選したい…」、「政権を取り戻したい…」、「政権を手放したくない…」、といった自己中心、党中心の思惑が言葉の裏側に透けて見えるからなのかもしれない。これは筆者の気の所為なのだろうか。

飛行機や電車などの2席続きの席で、「誰も座ってほしくない」と内心で思っている人の隣と、何も考えないで座っている人の隣とで、後から乗ってきた人がどちらを選ぶかという心理実験がある。実験では、ほとんどの人が“何も考えないで座っている人の隣”を選んだそうだ。言葉や態度であからさまにアピールしなくても、「座ってほしくない」と内心思っている人は、目に見えない“壁”を築いてしまい、その壁に多くの人が敏感に反応するからというのが、その実験の結論だ。

つまり、人が抱く感情は、言葉を介さなくても相手側に伝わりやすいし、どんなに口先で美辞麗句を取り繕っても、しぐさや話し方で感情は簡単に相手に伝わってしまうことがあるのだ。これを“感情の相応性”という。他人と信頼関係を築く時には意識しておかなければならないことだろう。

もし代議士の先生方が「有権者の信を問う」というのなら、信頼獲得のためには心の底から言葉を発するべきだと思う。そして、有権者はもう一度その言葉に耳を傾け、さらに行動にもしっかりと目を向けて、信頼のおける人に一票を投じるべきだと思う。(歩)

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