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2012/09/01掲載
自由研究
今年の8月はロンドン五輪の熱気も加わって例年より暑かったように感じたが、その8月も終わろうとしている。8月の終盤になると、小中学生のいる大半の家庭では、片付いていない夏休みの宿題で騒々しくなるというのが、毎年お決まりの光景だ。

夏休みの宿題の中でも特に頭を悩めるのは「自由研究」ではないだろうか。自分でテーマを決めて、主体的に学習活動をした結果を作品やレポートにまとめる宿題だ。自由研究にはそれなりにじっくり時間をかける必要があるから、学校の先生としては長い夏休みの宿題には最適と思って課すのだろう。しかし、この時期までできていない子供たちにとっては、残り僅かな時間でテーマを決めて成果物を作らなければならないというプレッシャーで、暗澹とした気持になっているに違いない。

8月6日の読売新聞に「自由研究 そろそろやろう!」という見出しの記事が掲載されていた。その中で、自由研究は時間がかかるものだから夏休みの早い時期から始めておきましょうと注意喚起してくれていた。さらに、近頃トレンドの自由研究のテーマや、「○○観察キットは○○ハンズで買える」といった情報、さらにはテーマに困った時のお助けサイトのURLなども親切に紹介していた。

しかし、ここで疑問が湧いてくる。本来自由研究は主体的な学習活動なのだから、テーマを自分で決めるところからスタートしなければならないはずだ。時間がかかる研究ならば自分で計画を立てて実行することも自由研究の一環なのではないだろうか。周囲から「こんなテーマはどう?」「さあ自由研究を始めましょう」と言われてしまっては、折角の自由研究が、自分の成果ではなく、周りの人たちのおかげでできた結果になってしまうのではないだろうか。そこからは、自らの意思で事を成し遂げる達成感も得ることはできないと思う。

逆に、もしうまくいかなかった時、それは自分の所為ではなく、周囲の人たちの支援に問題があったからだと責任転嫁してしまう恐れもある。自分の決めたことには最後まで責任を持ってやり抜く「自己決定の大切さ」も自由研究の中で学んでもらいたいと思う。

と書いている筆者も、夏休みの宿題は最終日まで大切に(?)残しておく口だったので、あまり偉そうなことは言えないが・・・。(歩)


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