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コラム詳細

2011/12/01掲載
「時間を攻める」というマーケティング発想
消費の低迷は依然として深刻です。不況の影響もさることながら、売り手側が消費者の価値観やニーズの多様化に対応できていない、ということもありそうです。そもそも「買いたい商品が無い」のです。そのような状況では、従来どおりのマーケティングで購買意欲をかきたてようとしても、効果は期待できないのではないでしょうか。これまでの常識を打ち破るような、斬新な視点が必要とされています。

1つの例として、最近のマーケティングでは、従来の競合相手への対応だけでなく、業種が異なる企業との消費者の「時間の奪い合い」を意識する必要が出てきました。携帯電話の普及によって、音楽CDや書籍の売上が減少していることなどは典型です。まさに、「異業種バトル」です。

したがって、新商品やサービスを考える際も、商品ジャンルや価格帯、対象層の年齢などのデモグラフィック属性だけでなく、「どの時間帯を攻めるか」という視点が大切になる場合もあります。機能面で競合に差別化したつもりでも、予想もしないライバルが同じ「時間市場」に出現し競合するかもしれないからです。

アサヒ飲料の缶コーヒー「ワンダ モーニングショット」がよい例です。2002年当時、「ワンダ」の売上は低迷気味でした。開発陣はPOSや市場調査などのあらゆるデータを調べてヒット商品の糸口を探りました。こうして見つけたのが、あるコンビニでは缶コーヒーの売上の4割を午前中が占めているというデータでした。缶コーヒーは午後や夜に飲まれるものと考えていた開発陣にとっては、衝撃のデータだったようです。こうして、従来の常識を覆す「朝専用」という商品コンセプトが決まったのです。「ワンダ」ブランドはその後も好調で、朝市場の先駆者として健在ぶりを示しています。

「時間を攻める」ことにより、「新たな習慣を提供する」というマーケティングの発想。あくまでも1つの例ですが、売れない時代にモノを売る1つのアイデアであることは間違いありません。(蹴人)

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