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2011/06/01掲載
迷惑ボランティア
未曾有の大災厄から2ヵ月半が経過した。被災地ではいまだにつらく不便な生活を強いられている方が多くいる。そんな中で復興に欠かすことのできないボランティア活動について考えてみたい。

先日の大型連休中も全国各地から大勢のボランティアが被災地に駆け付けたそうだが、ネットの世界では「迷惑ボランティア」なる言葉が跋扈しているとのこと。本来、ボランティアは自己を犠牲にした公共性に基づく活動であるはずが、「観光気分で来た自分探し」「人から感謝されることを楽しみにやってきて自己満足を満たすことが最大目的」という輩が後を絶たないそうである。

乙武洋匡氏が自身のツイッターにて「阪神大震災で被災した当事者の一言。『助けに来てくれて一番ありがたいと思ったのは、自衛隊の人たち。一番迷惑で邪魔だったのは、自称ボランティアの人たち。こちらが必要とする事はできず、逆に残り少ない食品や飲料水をコンビニで消費していく始末』」とつぶやいて物議を醸したことがある。

ボランティアと称して被災地に入り窃盗行為を行い、被災者などから金品を得た上で救援活動を行う「偽ボランティア」とは違い、迷惑ボランティアは自分では正しい事をしていると信じているだけにかえって始末に負えない。「9歳の娘も何か役に立ちたいというので連れてきた」とインタビューに答えた人がいたが、復旧作業を遊園地のアトラクションと勘違いしているのだろうか。需給のバランスの問題で現地での待機時間が長くなると「折角手伝いに来てやっているのに、何て対応が悪いんだ!」と逆切れして、ボランティアセンターのスタッフが謝罪している例は珍しくないという。

もちろん、被災地で人助けをしたいというボランティアの気持ちそのものは非常に尊いものだし、無償で貢献してくれるボランティアの存在なくして災害復旧が成り立たないのも事実だ。重要なのは、自己管理が原理原則であると理解した上で、自分がしたいことをするのではなく、相手のニーズを把握しそれに応える姿勢を忘れずに行動することである。これはビジネスにも通ずる普遍的な原則といえよう。
(七対子)


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