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コラム詳細

2010/11/01掲載
大切なのは、現場で考えること

ある食品工場で本当にあった話。

その工場は30年以上にわたってQCサークル活動に励んできたが、マンネリ化は否めず、現場には「やらされ感」が蔓延していました。おまけに「総合職」「地域職」「パート社員」毎に明確に分担が決まっており、相互のコミュニケーションも十分とは言えなかったようです。

特に問題となっていたのが、工場のパレット・ローダー(搬送装置)が毎週のように停止するというトラブルでした。その度に生産技術課の職員が出向いて修正にあたる事態が、何年にもわたって続いていました。本社の総合職の社員は当初、その原因をパレット・ローダーの老朽化にあると推測していました。

この時、現場の意識改革が必要だと考えていた社員が中心となり、「現場改革プロジェクト」が立ち上がります。その目的は、現場の無駄をなくし、もっと楽に仕事をしようというものでした。リーダーは早速工場を視察し、パレット・ローダーを最新のものに買い換えるという、本社の提案にストップをかけ、冷静に状況を分析しました。

現場を巻き込んだ「なぜなぜ分析」の結果、トラブルの真の原因が明らかになりました。なんと、その真の原因を言い当てたのは、最前線のパート社員でした。具体的には、種類の異なるパレットを積載した場合や、作業者の休憩時間の兼ね合いから運搬していないパレットが積み上がった後に停止していることを突き止めたのです。そこでパレットの種類を統一し、休憩時間を調整してパレットの積載量を一定に揃えたところ、トラブルはなくなったのです。

この取り組みは、本社に衝撃をもって伝えられました。昔、「事件は現場で起きている」という映画の主人公のセリフがありましたが、トラブルを解決するためには現場の知恵が必要です。現場の目線を失うことの怖さを、私たちは決して忘れてはなりません。(蹴人)
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