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コラム詳細

2010/06/01掲載
マイルストーンを甘く見てはいけない
13歳になるマルコは、2年前に出稼ぎに出た母を尋ねて、ジェノア(イタリア)からブエーノスアイレス(アルゼンチン)へ向う汽船に乗った。ブエーノスアイレスで会えると思っていた母は、既にコルドバという町に移ってしまっていた。そこまで何百マイルもあると聞かされたマルコは途方に暮れるが、親切な紳士が、地図とお金を与えてくれて「コルドバまで頑張ればきっとお母さんが見つかる」と声をかけ、その言葉に背中を押されてマルコは歩き出す。小説やTVアニメなどで誰もが知っている「母を尋ねて三千里」の一場面だ。

目標までどれぐらい頑張れば良いかを示してくれたこの紳士の言葉はマルコにとってのマイルストーンとなり、憔悴した心に、次の目標まで頑張ろうという気持を沸き立たせた。残念ながら次の地でも母は見つからないが、同じようにマイルストーンを示してくれる人が現れて、最後には母との対面を実現する。

マイルストーンは目標までの距離を示してくれる。そしてマイルストーンをクリアすることによって確実に目標に近づいていることも教えてくれる。だから何か目標を達成しようとする人にとって、マイルストーンはやる気を起こさせる要因ともなる。

リーダーとして、組織を目標に向わせる時には、マイルストーンを示して、「次のマイルストーンをクリアすることによってこんな良い結果が待っているから一緒に頑張ろう」として動機づけに利用する。ただしその時には、マイルストーンは正確で信頼できるものでなければならない。マルコの場合も、もし声をかけた大人たちの言葉に、偽りや間違いがあったなら、母に会うことはできなかっただろうし、もし、マルコが大人たちの言葉を信用していなければ、旅は別の結末となったに違いない。

「5月末まで頑張れば基地問題は解決する」とリーダーから示されたマイルストーンは、最後の段階で実現できそうにないとなった。多くの人たちは初めから怪しいと見ていたから、誰も驚きはしないが、リーダーへの信頼は確実に薄れることになる。ちょっとマイルストーンをなめていませんか、と問いたい。 (歩)

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