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コラム詳細

2010/01/01掲載
孟母三遷の教え
有名な中国の故事に「孟母三遷」というのがある。古代中国の儒学者孟子の母は、最初墓地の近くに住んでいたが、孟子が葬式ごっこをして遊ぶようになり、これはいけないと思い市場の近くに引っ越した。ところが今度は、商売ごっこをして遊ぶようになったのでこれもいけないと思い、再び引っ越して学校の近くに住んだ。すると孟子は、祭礼の儀式や礼儀作法の真似事を始め、やがて学問を志すようになったので母は安心したという話である。

この故事は、幼児教育には環境が大切であるという教えとともに、教育熱心で賢明な母親の例えとしても引用されることがある。ただ、少々屁理屈になるかもしれないが、以下のような問題提起をしてみた。

●葬式ごっこは、いけないことなのだろうか。
●商売ごっこは、いけないことなのだろうか。
●もし居住環境が子供に影響を与えると母親が考えて引っ越しをしたのであれば、最初に引っ越す際に学校の近くを探すべきだったのではないか。
●とすれば、行き当たりばったりの引っ越しをしただけの孟母を賢母だといえるのだろうか。
●この故事の本当の教訓は、「引っ越しをするときは、まず引っ越し先についてきちんと下調べしよう」ということではないか。

多少違和感があってもこれはこういうものだと疑問を持たずに受け入れてしまう人が、最近特に増えてきているような気がする。知らず知らずのうちに先例にこだわりすぎたり、環境に流されたりしてないだろうか。ちょっと立ち止まって物事にWhy?で問いかけてみてはいかがだろう。そこにマンネリ化した現状を打破する新発見があるかもしれない。

ちなみにこの故事では、孟母が引っ越したのは二回なのに「三遷」と表現している。かの金田一春彦氏もその著書の中で、「孟母はやはり二遷ではないか」という指摘をしているが、皆さんはどう思いますか。(七対子)

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