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コラム詳細

2026/06/01掲載
ズルい者は検知される
2014/08/01本コラムにて、「最後通牒ゲーム」を取り上げましたが、あらためて概要を記します。2人でペアを組み、1人を「分ける人(Aさん)」、もう1人を「受ける人(Bさん)」とします。Aさんがお金をどういう割合で分配するかを決め、Bさんはそれを受け入れるか拒否するかの権利があるとします。もしBさんが拒否した場合、2人とも受け取れるお金は没収されてしまう、というものでした。

Bさんの視点からすれば、経済合理性で考えると、まったくもらえないよりは1円でももらえたほうがよいのだから「拒否する」という選択肢はないはず。そして、AさんもそうしたBさんの態度を予想し、自分の取り分を最大限大きくする提案をする、となります。しかし、現実にはそんなことにはならず、自分の取り分が少ないと感じた場合、BさんはAさんを「ズルい奴だ」と感じ、自分の取り分を犠牲にしてでも相手に罰を与えようとします。つまり、提案を「拒否します」。そして、Aさんも「ズルい奴」という評判を恐れ、比較的穏便な割合を提案したりします。

この「ズルい奴」を罰したいという気持ちは、どうやら進化の過程で脳に組み込まれたもので大変に強固なもののようです(ヒト以外のチンパンジー、ボノボなどにもそうした態度が観察される)。つまり、そうした感覚を持つことが共同体の維持に有利に働いてきたわけです。そして、「ズルい奴」を罰したいという欲求の前に、「ズルい奴」を本能的に見抜くこともヒトにはお手の物です。

ここに、A、K、4、5の4枚のカードがあります。「母音の裏には偶数の数字が書いてある」というルールを確かめるためには、必要最小限どのカードをめくって裏を確かめる必要がありますか?正解はAと5なのですが意外と頭が混乱しませんか。ところが今度は、「16歳」「25歳」「ウーロン茶」「ウィスキー」の4枚のカードがあり、「アルコールを飲むならば20歳以上でなければならない」というルールを確かめるには必要最小限どのカードをめくる必要があるか?という問題にすると、答えはスッキリ浮かんできませんか(ちなみに正解は「16歳」と「ウィスキー」)。でも不思議です。この2つの問題は論理的にはまったく同じです。ヒトはズルい奴を見逃さない能力を備え、フリーライドを嫌うという強固なマインドがあるようです。(蹴人)

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