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コラム詳細

2026/04/01掲載
どこで道を間違えたのか
2019/12/01の本コラムに「目標はSMARTに」を掲載しました。目標は、①明瞭であること(Specific)、②測定可能であること(Measurable)、③合意されていること(Agreed To)、④現実的であること(Realistic)、⑤期限があること(Time-Constrained)が大事、という内容でした。そして、「SMART」のうち、③合意されていること(Agreed To)、④現実的であること(Realistic)が欠落すると、モチベーションを下げ、倫理観・モラルが崩壊し、最後はまっとうな道を踏み外す、という指摘をしました。

何度同じことが繰り返されるのか!ニデックの不正会計問題の件です。第三者委員会の報告書が公表され、その異常な実態が明らかになりました。不正の最大の原因は「過度な業績プレッシャー」と断じています。報告書では、「最も責めを負うべきなのは創業者の永守氏である」とし、数々の不正会計の実態を明らかにしています。監査法人を丸め込んだり、会社の負の遺産を巡り、永守氏の命を受けた「特命監査部長」が秘密裏に調査・処理していた実態が明らかになるなど、ガバナンスが崩壊している様子がわかります。

非現実的な目標を設定し、業績未達の幹部に対し、メールやチャットで日常的に罵倒を繰り返し、解雇や降格をちらつかせながら追い込んでいた様子も明らかになりました。第三者委員会はこれらを「恫喝」と断定しています。大胆な高い目標を設定すること自体は悪くありません。大胆な目標を掲げるからこそ、大胆な発想が生まれ、それがイノベーションを引き起こすこともあるでしょう。しかし、それは現場で働く社員の「共感」が前提です。共感できない目標を押し付けられ、ましてや幹部から恫喝された場合、人間は思考停止に陥り、安易な方法に逃げるものです、つまり数字の操作(不正)に走ります。

永守氏はニデックを裸一貫から売上高2兆円企業に育てた辣腕経営者であり、ファンも多かったと思います。永守氏の「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という精神が、企業成長の原動力だったことは間違いないですが、どこで道を間違えてしまったのか。恐怖で動く組織に未来はありません。恐怖ではなく信頼によるマネジメントを貫かなければ社員が壊れます。(蹴人)

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