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コラム詳細

2025/05/01掲載
心地よさに気をつけよう
日本経済新聞の名物コラムに「私の履歴書」があります。政治や経済、文化、スポーツなどの領域で大きな業績を残した、いわゆる著名人が自らの半生を紙面で語るわけですが、その著名人の思いがけない一面や歴史上の出来事の裏話などを知ることができ、ファンの多い連載読み物となっています。

「私の履歴書」を読んでいると、本当にいろいろな人生があるものだと驚嘆させられるのですが、共通点があるとすれば、どの登場人物も(特に若いころに)仕事で悪戦苦闘したり、逆境に苦しんだりしている経験が多いことです。しかし、そうした逆境を経験したからこそ、そこから学びが得られ、成長に結びついたと回想しています。そうした著名人ではない普通の一般人にとっても、「いや~、若いころのXXXプロジェクトは苦労したなあ」という苦い、しかし今となっては楽しい思い出をいくつも持っているものです。(若手にそうした武勇伝を伝える際にはくどくならないように気をつけましょう)

ところで、筋トレが趣味という人がたまにいますが、彼らはトレーニングで重たいバーベルを持ち上げることによって筋肉に負荷をかけ、その成長を促しているわけですね。軽すぎるバーベルではそうした効果が期待できません。仕事も同じようなものです。本人が自信をもって取り組めるような仕事ばかりを選択し、心地のよいストレスの低い状態を続けると、学びや成長は停滞してしまいます。

そこで、あえて難易度の高い、適度なストレスや不安を感じるような仕事に挑戦することによって学習や成長が促進されます。人間は失敗を通して学ぶものであり、人間は修羅体験で覚醒するものです。定期的(1年おきなど)に自分の仕事や業績を振り返った時に、心地のよい環境で大きな失敗もなく淡々とミスなくこなしたとすれば、そしてそれが周囲の期待する成果を出せているのであれば結構なことかもしれません。しかし、自分自身の“成長”という視点からは、“伸び悩んでいる”あるいは“壁にぶつかっている”状態かもしれません。(蹴人)

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