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2008/11/01掲載
オポチュニティ・コストを考える
経済学には、「オポチュニティ・コスト(機会費用)」という概念があります。AとBの二つの選択肢があり、Aを選べば150万円の利益、一方のBを選べば100万円の利益。この場合、通常Aを選択すると思いますが、仮にBを選択していたら得られたであろう利益の100万円を、Aを選択した場合の「オポチュニティ・コスト(機会費用)」と呼びます。要は、一方を選択したために逃した利益のことです。

例えば、「ある目的地に行く時に徒歩にするかタクシーにするか」、というケースを考えてみましょう。徒歩は目的地まで20分かかるとします。一方のタクシーは5分で着く代わりに700円の乗車賃がかかるとします。目に見えるコストだけを比較すれば、当然のことながらコスト面では徒歩の方が有利です。

ところが、ここで「移動時間にもコストがかかっている」と捉えたらどうなるでしょうか?この場面で会社が払う時給が3,000円だとすると、徒歩では1,000円(時給の20分相当分)、タクシーでは250円(時給の5分相当分)のオポチュニティ・コストが発生していることになります。これらを考慮すると、徒歩の全体のコストは1,000円、タクシーの全体のコストは700+250=950円となり、タクシーの方が有利と見ることができます。意思決定の際には、この目に見えないオポチュニティ・コストを把握することが重要になってきます。

プロジェクトも人生も選択(意思決定)の連続です。経営資源は有限なので同時に複数のことなどできません。「時間」についても同じ。時間に対してはただ過ごすものではなく、投資するという感覚が必要です。何かを得るということは、同時に何かを失っていることでもあるのです。そのような意識をもてば、日本人にありがちな「だらだら会議」も少しは減るのではないかと思ってしまいます。
(蹴人)

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