「コンドルセの定理」から学ぶ 昔、みのもんたさん司会の「クイズ$ミリオネア」というテレビ番組がありました。「ファイナル・アンサー?」は流行語にもなりましたね。ゲストは4択のクイズに答えるのですが、悩んだときに使えるライフライン(ヘルプ機能)として、問題を観客全員に答えてもらい、その結果を参考にできる「オーディエンス」というものがありました。そして、この「オーディエンス」はかなりの高い確率で正解を導きだしていたものです。
私たちは一般に「優れた個人(専門家)」と「大勢の一般人」を比較した場合、前者の方が優れた意思決定能力を持っていると考えてしまいがちです。しかしながら実際には、ある一定の条件では、大勢の一般人の集合知(意見)が専門家を上回るパフォーマンスを発揮できるのです。
このことを数学的に説明した人物がいます。フランス革命時に政治家として活躍したコンドルセ侯爵です。彼は数学者としても知られ、多数決を説明する「コンドルセの定理」を発見しました。それは、「ある問題について、答えの選択肢が2つしかなく、参加者が正しい答えを選ぶ確率が50%を超えている場合、参加者の数が多いほど正しい答えが導かれる確率が高くなる」というものです。
「コンドルセの定理」は、民主的プロセスにおける集合知の可能性を数学的に証明しているように見えますが、いくつかの重要な前提条件があります。それは、①集団内の個人が独立していること、②集団内の個人は互いの意見に影響されないこと、③偏りがないこと、④全員が同じ問題に答えようとしていること、⑤正しい答えを導くのに必要な情報があること、などです。
よく優秀と言われるメンバーが集まっていながらグダグダな結論しか出ない会議がありますよね。「コンドルセの定理」からは会議での意思決定のクオリティを上げるカギが見えてきます。それは、偏りのない多様性のあるメンバーが(上記③)、目的・目標を共有し(上記④)、フェイクでない適切な情報に基づき(上記⑤)、お互いに忖度なく本音で議論できること(上記①②)、となります。(蹴人)
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