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2024/05/01掲載
アニマルスピリッツを取り戻そう
今年の新入社員は「Z世代」と呼ばれ、旧世代とは価値観が異なると言われています。また学生時代の多くの時間をコロナ禍で過ごし、不自由を強いられた世代でもあります。ただ同時に、そうした不自由な環境をさまざまな工夫で乗り越えた対応力もあるはずです。新人ならではの自由な発想と活力で、停滞した組織や世の中に新風を吹き込んでくれることを期待します。

そういえば今年の入社式で行われた経営者の訓示も、前向きで挑戦的なものが多かった気がします。バブル崩壊以降、平成を次々と襲った危機に直面した経営者はリスクを避け、成長に向けた投資よりもコスト削減による目先の利益の確保を優先してきたように思います。今ようやく、日経平均株価がバブル期以来最高値を更新し、初任給が大幅にアップする会社も増え、日銀は17年ぶりに利上げをして異次元緩和に終止符を打ちました。日本もようやく物価も賃金も上がり、金利もある「普通の状態」になりつつあります。経営者のマインドもそうしたムードを反映しているのでしょうか。

経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、主著「雇用、利子および貨幣の一般理論」で「アニマルスピリッツ」の重要性を指摘しました。アニマルスピリッツとは、「実現したいことに対する非合理的なまでの野心的な意欲」のことです。つまり、企業活動の本質は、利益の見込みやリスクの確率計算によるものではなく、人間が本来持つ将来に対する夢や期待や自然発生的な衝動にある、とケインズは言っているのですね。バブル崩壊以降、そのアニマルスピリッツを忘れてしまった経営者が多かった気がします。ケインズはまた、アニマルスピリッツがないと、「企業活動は色あせ、やがて死滅してしまう」とも言っています。

さて、経営レベルから個々の仕事のレベルに視点を変えてみても、アニマルスピリッツの重要性は変わりません。ただ経済合理性に基づいてtaskが割り当てられ粛々とこなすのと、そのtaskの背景として、大きな夢や目標、取り組むべき意義が感じられるのとではまったくモチベーションが違います。何よりも、夢や目標がないと仕事が面白くないし、ワクワクしないではありませんか。リーダーの方は大いにアニマルスピリッツを発揮していただいて、また同時にメンバーのアニマルスピリッツを刺激して、チームにenergyを注ぎ込んでほしいものです。(蹴人)

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