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コラム詳細

2021/10/01掲載
探偵フィリップ・マーロウとPM理論
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」。作家、レイモンド・チャンドラーの小説「プレイバック」に登場する私立探偵のセリフです。探偵フィリップ・マーロウが一緒にいた女性から、「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」と尋ねられた時の言葉です。初めて「プレイバック」を読んだ時には、正直しびれました…。

さて、リーダーシップの分野にPM理論があります。リーダーシップの役割は2つの軸があり、1つ目は「グループの目標を達成すること」、2つ目は「グループの結束を高めること」です。それらを英語にすれば、「Performance(パフォーマンス)」と「Maintenance(メンテナンス)」。日本を代表するリーダーシップ研究者である三隅二不二はこれを、頭文字を取ってP機能とM機能と名付け、この理論は「PM理論」と呼ばれます。

P機能の尺度は「課題を遂行する」「業績を達成する」「目標に到達する」こと、M機能の尺度は「メンバーの満足度を高めること」「良い人間関係を作ること」です。リーダーシップの分類として、「PM型」「pM型」「Pm型」「pm型」などがあり、大文字は機能が強いこと、小文字は機能が弱いことを表しています。

リーダーとしては、もちろんPM型が一番望ましいのでしょうが、なかなかスーパーマンはいません。現実には、「pM型」や「Pm型」のリーダーが多いかもしれまん。気を付けたいのは、どちらかが得意なリーダーにチームを作らせると偏りは一層強くなるかもしれないこと。P型リーダーはP型メンバーを好み、M型リーダーはM型メンバーを好みがちです。なぜならば、多くの人は自分と似た性格の人を好むからです。

さらに言えば、リーダーシップには文脈依存性があり、プロジェクトの環境、メンバーの資質によってPが求められている状況もあれば、Mが求められる状況もあります。そう考えると、やはり目標は高く、PM型リーダーを目指したほうが、どのような状況にも対応できる柔軟性があります。優れたリーダーはビジョンを語りメンバーを導き、同時に場の安心感を提供します。やはりプロジェクトでも、探偵フィリップ・マーロウのように「強く、優しい」リーダーを目指したいものです。(蹴人)

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