プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

プロジェクト・マネジメントのPMコンセプツ/コラム詳細

PMコンセプツ・トップページ >> コラム詳細

採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ

コラム詳細

2021/02/01掲載
言葉って大事!
コロナに対する対応が後手後手にまわっており、政府に対して批判が高まっているようです。例えば、緊急事態宣言の発令が遅れたように見えること、対象地域が東京など一都三県から急遽大阪などにも拡大されたこと、会食自粛に関して、飲食店に午後8時までの時短を要請したはずが慌ててランチを含めての自粛が強調されたこと、GoToトラベルに拘り続け一斉停止の判断が遅れたこと、水際対策が中韓などのビジネス往来は継続方針のはずが停止に転換したことなど、枚挙にいとまがありません。

現在は未曽有の危機ですから、「朝令暮改」が絶対に悪いとは言いませんが、追い詰められてやっている感じが否めません。なかでも個人的に一番びっくりしたのは、1月7日の記者会見での首相の発言でした。記者から「(1か月後…)仮に緊急事態宣言を延長する場合、今回と同様に1ヵ月程度の延長を想定しているか?」という質問に対し、「仮定の質問には答えられない」と言ったことです。

この発言は、①コンティンジェンシープランはあるが何らかの理由で表明できない、もしくは、②コンティンジェンシープランを用意していない、の2通りの可能性がありますが、①ならばその理由を説明してほしいものですし、②であればそもそもお話になりません。リスクマネジメントの要諦は将来を予測し、最悪の状況を想定し、適切な予防策、発生時対策(コンティンジェンシープラン)を講じておくことですが、どうもそうしたメカニズムが機能していないように思われます。

そして、首相のメッセージの発信の仕方も物足りないです。あまり海外の首脳と比べるのは好きではないのですが、例えばドイツのメルケル首相。彼女は昨年12月の連邦議会の演説で、目に涙を浮かべながら、「クリスマス前に多くの人と接触することで、祖父母と過ごす“最後”のクリスマスになってはならない」と強く訴えかけました。普段は冷静沈着なメルケル首相が時に感情をあらわにしながらもメッセージを送った姿に国民は心を揺さぶられたようです。

結局、人が納得するのは理性によってではなく感情によってです。メッセージの送り手が心の底からメッセージの受け手に共感しているか、腹の底から救いたいと思っているのかが「魂」となって言葉に乗り移るのです。官僚のペーパーをただ棒読みするだけでは国民の心を揺さぶることはできません。(蹴人)

採用情報サイトマッププライバシーポリシーお問い合わせ