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コラム詳細

2021/01/01掲載
SDGs
4、5年ほど前からSDGs(持続可能な開発目標)という単語を見聞きするようになった。しかし、SDGsに向けた取り組みの中で、少し違和感を覚えることがあったので、その点について申し述べたい。11月の最終週にTBSテレビのいくつかの番組でSDGsについて知ろうという企画を行った。SDGsを知る上では、とても分かりやすい企画だったと思う。しかしその企画が、「地球を笑顔にするWeek」と銘打たれたプロジェクトだったことに、「SDGsに取り組むことが、本当に地球を笑顔にすることになるのだろうか」という疑問を感じた。

現在地球上では環境破壊や貧困問題が進み、将来的な社会活動を持続させるのが難しくなってきているのは事実だ。しかし、そこで困って笑顔を失っているのは、地球ではなくその問題を作り出した人間そのものではないだろうか。18世紀の産業革命の頃の石炭に始まり、その後石油、天然ガス消費が今も続いている。その間に世界人口が急増して、エネルギー消費を増加させる中でCO2による大気汚染が深刻化してきた。さらに化石燃料を利用した経済活動によって、その他の様々な資源も採り尽され、貧富の格差も生まれた。つまり、SDGsに取り組まなくてはならなくてはならない状況を作り出したのは、人間たちのこれまでの営みの結果なのだ。

地球にして見れば、化石燃料が枯渇しようが、大気や海が汚染されようが、全く困った話ではないはずだ。人間の想像が及ばないような数十億年~百億年単位の地球の時間軸の中では、人間たちがこの数百年間でしてきたことなど、ほんの一瞬、地球の表面上に吹き出物ができた程度のキズに過ぎなくて、そのキズは、人間たちが自ら作り出した環境に耐えきれなくなって滅亡した後にでも、ゆっくりと時間をかけて再生していけばいいだけのことだろう。

地球には充分時間は残されていて、切羽詰って困っているのは人間の方だ。それを何とかしようというSDGsは、人間たちにとって都合が良いだけの活動でしかないのに、それを「地球を笑顔に…」というキャッチコピーで奇麗事にしてしまっていることと、たった1Weekのプロジェクトで「取り組んでいます」感を漂わせていることにいささか違和感を覚えた。本当に地球に笑顔になってもらいたいのなら、人間たちの強い覚悟と気の遠くなるような時間が必要だと思う。(歩)

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