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コラム詳細

2019/01/01掲載
優秀な外国人材
先々月の小欄で人材不足について取り上げた。期せずしてその後召集された臨時国会では、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が審議され、国会の場でも深刻な人手不足の状況を打開せねばならないという機運が俄かに高まったかのように思われた。

果たしてその法案は12月8日に成立したが、法案を提出した政府に本当に人手不足の問題を解決しようという意思があったのか疑問に思う。臨時国会閉会に当たっての会見で安倍首相は「優秀な外国人材の皆さんにもっと日本で活躍していただくためにこの制度は必要」と胸を張っていた。しかし、優秀な人材を確保することと、法案が規定する「受け入れに上限を設ける」「期間を限定する」こととがどう関連してくるのかが全く分からない。単に大量の移民が押し寄せている他国の現状に戦き、そうはなるまいと慌てて海外からの流入を規制した移民政策のための法案かと勘ぐりたくなってしまう。

筆者には贔屓にしている焼鳥屋がある。その店には5人程の店員がいるが、その内の2人は外国人労働者だ。その2人が実によく働くので、訪れる度に感心させられる。接客から調理、会計までをすべて日本人の店員と同じようにできる。日本人スタッフの対応を見ていても、彼らを貴重な戦力として認めて仕事を任せていることが分かる。そこには信頼関係がしっかりとできているから、傍から見ていてとても良い雰囲気を感じる店だ。

実はその焼鳥屋、別の場所にも系列店がある。そちらにも同じように外国人の店員がいるのだが、同じ系列とはいえ、かなり様子が異なる。その店の日本人スタッフは、外国人店員たちを単なる下働きとして扱い、簡単な仕事を指示して、それが終わるとその場に立たせているだけだ。まともな仕事を任せようという気配がない。だからその外国人店員もふて腐れたような顔をしている。そんな様子を見せつけられる客側も気分は良くない。

筆者が見た狭い世界でも、外国人労働者の働く環境にはそれぞれに違いがある。法律を作って規制をしたからといって、優秀な人材が入ってくるわけではない。優秀な人材は、職場で育つものだから、外国人が働く現場の問題にも目を向けた議論をして、本当に優秀な人材が育つ制度にしてもらいたかった。たった48時間の審議だけで「制度ができた」と胸を張らないでもらいたい。(歩)

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