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コラム詳細

2018/09/01掲載
街の本屋さん
全国で本屋さんの数が減ってきている。経済産業省が行っている商業統計によると全国の書籍小売り専門店つまり駅前や商店街にあるような街の本屋さんは2007年には11,220店あったのが、2014年には7,742店に減少している。全国で1,741ある自治体の内の417、およそ24%の自治体に書店が1軒もないという調査結果(2017年 トーハン調べ)もある。

書店数が減少している原因は色々あるようだが、その中でも「雑誌の不振」と「ネット書店の台頭」の影響が大きいと言われている。街の本屋さんの売れ筋商品は雑誌が占めているから、その雑誌が売れなくなれば本屋さんの売上も下がる。買いたい本が決まっていれば、スマートフォンからワンクリックで注文する方が断然お手軽だから、本屋さんに足を運ばなくなる。街の本屋さんの経営はどんどん圧迫され閉店に……という構図なのだろう。

本屋さんの方も現状に甘んじている訳ではない。本や雑誌を売るための努力は数々みられる。品揃えにこだわって特定の客にターゲットを絞るとか、店内に椅子を置いて、ゆっくりと中身を見ながら本選びができるようにしている本屋さんが増えてきている。中には宅配牛乳業とコラボして牛乳の注文用紙に本の注文も書けるようにして牛乳を一緒に配達するようにした書店もある。ただ、このような努力も、現状を大きく改善するまでには至っていないだろうし、小規模な本屋さんではできないようなことも多い。しかし、ぎっしりと本が並んだ書棚を何気なく眺めている内に、ふと手にした本から得られる未知の世界や体験できない世界を知ることもできるはずだ。本との出会いの楽しさやリアルな本に囲まれる心地よさがあるということを少しでも多くの人に思い出してもらいたいと思う。

神奈川県箱根町に本に囲まれる楽しさを体感することができるホテル「箱根本箱」が開業したという記事を読売新聞(7月31日朝刊)で見た。チェックインからチェックアウトまで1泊で最長20時間、ホテル内に並べられた1万2千冊の本を好きなだけ読むことができる。本離れが進む中でゆったりと読書を楽しんでもらう試みからできたブックホテルだ。旅に出るとつい観光だの、アクティビティだの、グルメだのと忙しなく行動しがちだが、のんびりとリアルな本との出会いを楽しむのも良いかもしれない。訪ねてみたい場所がひとつできた。(歩)

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