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コラム詳細

2018/06/01掲載
アンラーン(Unlearn)を忘れない
今では信じられないことですが、筆者が子どものころは運動中に水分補給をしてはいけない、と真面目に指導されました。漫画「巨人の星」のごとく、下半身を鍛えるために「うさぎ跳び」は有効である、という説もまかり通っていました。赤ちゃんの頭の形を良くするためには「うつぶせ寝」がよい、というのもありましたね。これらの昔の常識は今では否定されています。

アップルがiPhoneを発売したのはほんの少し前の2007年のこと。結果的に世の中を変えてしまいました。ビジネスの世界では、例えばAIやIoTの進化により勘や経験に頼ってきたノウハウがどんどん機械化されコモディティ化するなど、過去の延長線上にないような予想を上回る業界変動や破壊的イノベーションが起きています。環境の変化があまりにも速いために、10年前には有効だったスキルがどんどん時代遅れになってしまう世の中になりました。

このような時代に、一度学んだスキルに執着し続けることは危険です。新しい常識を知らないと顧客の期待に応えられない場面が増えるからです。過去の常識に拘る企業(人)は淘汰される時代になりました。昔の常識が今の非常識になっていないか、常に自分の常識をチェックし続ける姿勢が求められます。

一度学んだことをまっさらにすることをアンラーン(Unlearn)と呼びます。しかし一度学んだ常識を手放すことは難しいことでもあります。第一に、サンクコストの罠。多くの時間をかけて習得した知識、スキルの効果が薄くなったことを認めるのが辛い、まだうまくいく場合もあるので、「まだ大丈夫」と変化しないことを合理化してしまう、という心理。しかし結果的には、「ゆでガエル現象」で緩慢な衰退になるだけです。第二に、自分のパワー(権力)が脅かされることへの抵抗。自分の専門的な力によって他者を支配していた。そのパワーの源が奪われることへの恐れ。人間は一度築き上げたパワーは失いたくないし、安定を好む傾向もあります。これらの心理的な障害を乗り越えて、自分が学んできたことを真摯に見つめ直す姿勢が問われています。(蹴人)

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