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コラム詳細

2016/11/01掲載
おとなの事情
バレーボールの木村沙織選手が今季限りでの引退を表明した。日本中の期待を一身に背負って、全日本代表チームを引っ張ってきた彼女のプレーを見られなくなるのはとても残念だ。しかしスポーツ選手にとって現役引退はいつか通過しなければならないポイントだろう。

木村選手の引退を報じるニュースや情報番組を観ていたら、少し気になることがあった。彼女のユニフォーム姿の映像で胸のスポーツメーカーのロゴがモザイクで消されていた番組があったことだ。番組のスポンサーとの関係で消されたのだろうか。よくメディア業界で言われる「おとなの事情」ということなのだろうか。しかし事実を伝えるべき報道番組でスポンサーのことを意識して、画像を加工していることに違和感を覚える。

先日、東京で大規模な停電騒ぎがあった。原因は埼玉県新座市にある東京電力の送電施設の火災だったが、黒煙が舞い上がる火災現場のニュース映像にとんかつ屋の「かつや」の看板が大きく映っていた。そして目の前の川越街道(R254)や近隣の住宅地の様子と一緒に「かっぱ寿司」「リンガーハット」「ヤマダ電機」「ニトリ」等々、国道沿いらしく様々な看板が映り込んでいた。もしそのニュース番組のスポンサーが「とんかつ新宿さぼてん」、「天下一品」、「スシロー」、「コジマ電機」、「大塚家具」だったとしたら、看板の映像は全て加工されるのだろうか。そうなると現場の所在地や周辺状況が伝わらず報道にならない。

番組がドラマなら話は別だ。「NTTドコモ」がスポンサーならドラマでは「Softbank」のスマホは出てこない。「日産」が提供する刑事ドラマの覆面パトカーは「スカイライン」だろう。その辺りのおとなの事情は良くわかる。それに、もし「倍返しだ!」と主人公が叫んだ直後のCMで「過払い金の請求はお早めに」とか、女性外科医が「わたし失敗しないので!」と決め台詞を吐いた後に葬儀社のCMが流れたら制作側のスポンサーに対する無神経さが問われることになるだろう。

要は「おとなの事情」も受け取り手が気にならないように程々にしてもらいたいと言いたいだけだ。小欄にはスポンサーの顔色を窺わなければならないという事情は無いので今回は固有名詞をふんだんに散りばめさせていただいた。登場した企業名、店名とはなんの関係もない。(歩)
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