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2016/03/01掲載
デッドライン・テクニック
消費者庁が弁護士法人「アディーレ法律事務所」に措置命令を出したとの報道(2月16日 読売新聞)に触れた。「1か月間無料」キャンペーンを約5年間同事務所のホームページに掲載していたらしい。単なる削除漏れではなく、毎月キャンペーン期間を小まめに書き換えていたというのだから確信犯と言える。

期間や時間の「限定」をうたって購買意欲を高めることを「デッドライン・テクニック」と言うが、このテクニック、結構世の中に蔓延っている。TVショッピングで料金を発表した後に続くのが「今から30分以内にお電話いただいた方は、何とさらに○万円引き!」とか「〜何ともうひとつおつけします」のような常套句だ。コンビニエンス・ストアにいけば「期間限定スウィーツ」やら「今だけオマケがもらえる○○茶」が棚に並んでいたりする。人は「今しか…」と限定されてしまうと、示された条件が惜しくなって、ついつい財布の紐が緩んでしまう。その消費者心理を利用している。

交渉の場でも「デッドライン・テクニック」が使われることがある。期限を設けて条件を提示して、相手にプレッシャーをかけて譲歩を勝ち取る時に使われる。そのやり口に惑わされないようにするためには、デッドラインの弾力性を試して、デッドラインの真偽を確かめることが大切だと当社の交渉のコースで伝えている。中には前記の法律事務所のような偽物のデッドラインもある。

「30分以内にお電話を」と言っていても、40分過ぎたころに電話をしても意外と条件は変わらなかったりする。「今しか食べられませんよ」というスウィーツを見かけても、食べたい気持ちを一度はぐっと我慢してみる。すると程なくして「ご好評につき定番商品として売り出すことにしました」となることも良くある。偽物のデッドラインには引っかからないようにしたい。

大阪で「もうあかん やめます」と閉店をちらつかせて何十年も営業を続けていた名物靴屋さん。これも偽物のデッドライン・テクニックの例かもしれない。しかし、こちらは何のお咎めもなく、むしろ最後は惜しまれつつ2月に本当のデッドライン(閉店)迎えたようだ。(歩)

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