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2015/01/01掲載
傾聴の技を磨く
通販大手のジャパネットたかた(長崎県佐世保市)といえば、ご存じ、高田明社長の名人芸ともいえる販売話術で知られています。全社をあげて、セールストークの習得に取り組んでいると思いきや、実は最も重視しているのはコールセンターにおける顧客の要望や苦情への対応方法らしいです。

その研修は徹底しており、対象は、コールセンターとコールセンターを運営するジャパネットコミュニケーションズ本社の社員約1000人、親会社であるジャパネットたかたの全社員約500人という力の入れようです。ジャパネットたかたでは、一日に約4万件の問い合わせを受けるそうですが、コールセンターで対応できない場合には、本社に転送されるため、社員全員に研修を受けさせているのです。研修は実践的な内容が中心で3時間×35コマ、修了試験は一発で合格する確率が10%という狭き門だとか・・・。

なぜ、ここまで力を入れるのか。そこにはジャパネットたかたの経営方針が反映されています。高田明社長は「これからは売って終わりでは生き残れない」と言います。通販番組を見て、機能や価格に惹かれて購入する顧客は多いですが、そこで終わりではなく使い方や修理などサポートを徹底してこそ、顧客満足度が高まり、リピートにつながると考えているのです。このあたりは実感としてよく理解できます。せっかく購入した商品もアフターサービスや問い合わせ時の対応がガッカリだと、再度同じ相手から購入する気にはなれないものです。

コールセンターといえば、専門業者にアウトソーシングするイメージが強いのではないでしょうか。ちなみに、ジャパネットたかたでも以前はコールセンター業務を外部委託していました。しかし、2010年9月に委託先の社員を受け入れ、自社運営に切り替えたという経緯があります。背景には、業務委託だと、本当に知りたい、自分たちにとって都合の悪い情報が入手しにくかった、という事情がありました。

顧客に直接向き合うため、組織を変える。顧客との接点を増やし、情報収集能力や対応力を強化する。そのために、傾聴スキルを磨く。なかなか、骨太の経営戦術だと思います。(蹴人)

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